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「工学・科学技術」についての対話(1) [「工学・科学技術」についての対話]

勤務先の昼休憩の一コマ。

A:先輩  I:私


A:「あなたに取り寄せてもらったブリコラージュ関連の論文をいろいろ読んでいる途中だけど、これからの科学技術について大きなヒントになると思う。」

I:「レヴィ=ストロースが『野生の思考』(みすず書房)の第1章「具体の科学」で指摘した、ありあわせの道具・材料を用いて物を作る「器用仕事」、これにAさんがこんなに興味持っていただけるとは意外でした。」

A:「いや、僕は今の資源・エネルギー集約型の科学技術では、そう遠くない将来、この星の生活は立ち行かなくなると思っている。省資源・省エネルギーで環境負荷の少ない分散型のエンジニアリングへと、根本の土台から転換していかなければならないと考えている。」

!:「その問題とブリコラージュとに、どのような関連が?」

A:「化成品メーカのこの会社を含め、合成などによって新しい物質を絶えず作り出している。その総数は既に1億種をとっくに超えていると言われている。だけど、いつまでもこんなことを続けていていいんだろうか?」

I:「せっかく生み出した新物質も、その多くが実際には実用化されずに、ただ特許登録してあるだけ、ということもありえますね。」

A:「うん、だからいたずらに新しい物質を開発するのじゃなくて、既にある物質の中から出きる限り生命に無害で環境負荷の少ないものを選別して、それらの組み合わせを有効活用する。そのような発想転換が必要なんだ。」

I:「ああ成る程。だからAさんは、私がご紹介した論文の中から、まず三宅秀道「ブリコラージュと製品開発」(東海大学紀要政治経済学部 第43号 2011年)に興味を持たれた訳なんですね。」

A:「コンセプトが先にあって、それをモノに実体化していくエンジニアリング。それに対して、モノの特性を抽出し、それを活かす生活上の行為を構想し、用途を設定していくブリコラージュ。この対比は大変興味深かった。」

I:「あの論文は、「成熟した産業社会の更なる前進のためには、〔ブリコラージュに適した組織を構築し、製品開発に取り組ませることが〕必要なことである」と結論付けていました。たしかに、Aさんが構想されているモノ作りと科学技術の土台の転換、その根幹に関わりますね。」

(続く〔かもしれない〕)

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