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文系と理系の論述スタイルの違い(2) [戯言(学問)]

勤務先の昼休憩の一コマ。

A:先輩(工学博士)  I:私(文学修士・法学修士)

昨日からの続き:

A:「世間の人たちの多くは誤解しているけど、「学術論文は真理を述べる場」ではないということを理解して欲しいんだ。」

I:「えっ! それは自然科学の査読論文であっても、そうだということですか?」

A:「そう。あくまでも、「これまでの先行研究に基づいて、○○と仮説を立て、それを立証すべく△△の実験・観察を行った結果、□□だと結論します」という報告の言明でしかない。」

I:「つまり、科学はパースの言う「アブダクション(仮説的推論)」であるということですか?」

A:「「アブダクション」については、吉川弘之先生とお弟子さん達が工学分野で展開されているのは知っている。ただ、私がそれらを充分理解している自信はない。」

I:「結局、学術論文で表明されていることは「暫定的な真理」どころか「暫定的な仮説に基づいて検証した仮の結論」ということなのでしょうか?」

A:「考えてもみたまえ。この世界の中で生じている現象、その一つだけを採ってみても、そこには数知れない多くの要因が絡み合っている。それらの中から重要だと思われる要因を変数として取り出して、変数間の相関関係の中から最も根本的な因果関係を特定するなんて、限られた予算・時間じゃ、とてもじゃないが精査し切れない。」

I:「なるほど、変数の抽出が適切だとは限りませんし、変数間の相関関係の設定、そしてそれを解析する基準も幾つもありますから、因果関係の特定も恣意的にならざるを得ませんね。」

A:「私が常々主張しているのは、科学とは「暫定的に立てた仮説を検証した結果から導き出される一つの判断」でしかないということ。当然、その判断が誤ることは有り得るし、それは世間の人たちが思っている以上に多いよ。」

I:「そ、そ、そうなんですか?」


*明日に続く
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